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zoom RSS 市販バロック・オーボエのリードつくり

<<   作成日時 : 2015/11/07 18:30   >>

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画像オーボエにはリードつくりが欠かせません。

「オーボエ、リードなければ、ただの管(くだ)」。

オーボエからつくり出される美しい音色ですが、ほぼリードで決まります。

オーボエ本体のほうは、音階をつくるだけといえば言い過ぎかも知れませんが、それくらいリードが重要。

そのリードですが、自分に合ったリードを見つけること、また自分でつくれることがとても望ましい。

●最初はモダン・オーボエから

オーボエという楽器を吹いてみたくて、まずモダン・オーボエを購入。 もう35年も前のこと。

リードは市販リードが入手できますから音出しの練習はできます。

●バロック・オーボエへ

しかし、やはりバロック・オーボエがほしい。 

フォトは、わたしが購入したメーカー製のバロック・オーボエ。 メック Moeck 社のB17。

もう26年も前のこと。

海外在住の親族が帰国する際に、現地で購入し持ち帰ってもらいました。

ところで、1980年代のわが国での楽器販売の事情ですが、輸入楽器には関税がかかり一般管理費も加わるためでしょうか、海外現地価格の2倍となっていました。

これは木管に限らず金管でも同様。

バロック・オーボエは、当時33万円。 現地で買えば、17万円。

いろいろと手にしたいけど、やすやすと買えるものではありません。

そこで、「自分でつくれないものだろうか・・・」と思うようになりました。 (そのころの気持ちは、→こちら

●自分でつくってみたオーボエと適合リード

これまで、5種のモデルのオーボエをつくりましたが、適合リードが異なります。

それぞれに合うリード/チューブを見つけなければ、調整もできません。 調整ができなければ、最適リードもみつかりません。 これは、負のサイクル(どうどうめぐり)。

最近復元製作した、P.Paulhahn モデル(→こちら)ですが、内径設計が良いためでしょうか、満足な楽器ができ、適合リード/チューブもいくつか見つかりました。 (調律は、→こちらも参照)

結果として、正のサイクルに持ち込め、こんどは一気にリードつくりの要領もわかってきました。

最初に買ったモダン・オーボエから数えて、35年かかりました。

●市販バロック・オーボエのリード

フォトの、メック社のデンナーモデルB17の付属リードは1本。

完成リードというより、半完成リードでした。

自分にあうリードつくりが必要な事情から、メック社も、半完成リードを自分で削って完成させることを前提として出荷していたのでしょうか。

そのような事情も何も分からず、とても固く振動せず、吹けないままに永らく放置してきました。

しかし、バロック・オーボエを自分でつくり、その適合リードができるようになった今、市販楽器の適合リードもつくれるのではと思い、いくつかトライしました。

P.Paulhahn モデルとデンナーB17とは、ほぼ同じ長さですが、ウェル(井戸)の形状が異なります。

そこで、ウェルに合うよう糸巻を調整すると、P.Paulhahn モデルのリードが適合しそう。

しかし、チューブ底の内径が手持ちチューブよりがほんの少し大きく、この相違は差し込む量で調整できるものの、ウェル底から浮かした分、生じる隙間の空間が、とくに低E音やEb音のブルブルにつながります。

この点に注意し、十分差し込んで隙間をわずかにするとよい結果が得られました。

このデンナーB17のピッチ測定では全域でよく合っています。 とくにF音が正しくでますが、それには正規の運指が必須:

 F音 1234−67

●種々のタイプのリード

バロック・オーボエのリードに用いるケーンやチューブの選択は重要です。

完成リードの幅ですが、適切な幅のレンジがあり、A=415 のモデルでは、9.0−9.5mmあたり。

これに対し、ローピッチ A=392 のI.H.Rottenbugh モデル(→こちら)では、9.8−10mmあたりがよい。 リード幅が狭いと、種々の問題が発生します。

一方、チューブでは、テーパー度合いの最適値を見つけることが必要。

テーパー度合いにより、低レジスタとオクターブ上の高レジスタの開きが影響を受けてしまいます。 (→こちら

●種々のタイプのリード

フォトは、トライした3種のリードと、市販楽器付属のリード(リードケースの右端)。

市販付属リードはいろいろ削りすぎてダメにしたものの、基準寸法としてほぼ原型で保存。

3種のリード、製作番号 #112、#42、#114 のデータは以下の通り。 いずれもよく鳴ります。

ここで、全長L、チューブ長T、リード長R、リード幅W、ウェルから上への露出長Ex、チューブ底外径φ、スクレープ長S とし、単位はmm。

★ #112 ロングスクレープ

 L85.5/T60/R25.5/W9.5/Ex67.5/φ6.5/S25

★ #42 ロングスクレープ

 L83.5/T57/R25.5/W9.2/Ex67.5/φ6.5/S25

★ #114 ショートスクレープ

 L83.5/T57/R25/W9.4/Ex66/φ6.45/S13.5

☆ 市販オーボエB17付属リード ショートスクレープ

 L86/T58/R27.5/W8.7/Ex67.5/φ6.5/S15

これらリードつくりのトライにより、A=415 のオーボエの基準的な寸法が得られ、他のモデルの復元製作においても、土台にできると期待しています・・



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