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zoom RSS バセット・ホルン:まず同心円加工を施します

<<   作成日時 : 2016/01/03 16:21   >>

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画像楽器のつくり方 (186) 2016/1/3

バセット・ホルンつくりの連載、次へ進めましょう。

バロック木管の形状ですが、木管の端から端まで通して同心円を描きます。

バロック時代にももちろん旋盤があり両端に材を結わえ回転させ、材に刃物を当てて加工すると各部が同心円を描くのです。

ただし、同心円でない木管や、木管の一部が同心円でない形状のものもあります。

●同心円状でない木管部分の例

 - リコーダのマウスピース  (→こちらも参照)
 - クラリネットのマウスピース  (→こちらも参照)
 - ファゴットのウィング・ジョイント/ブーツ・ジョイントほか
 - キー台が1周のベッドでなく一部をなすもの
 - オーボエ・ダカッチャの角形の管部

●バセット・ホルンの場合

バセット・ホルンは曲がったクラリネットです。 (曲げたクラリネットの例は、→こちら

真鍮製の金管では、丸めた管が曲線を描くように曲げることが可能であり、ホルンやトランペットなどに見られます。 しかし、木管の材は木ですから、管の状態のまま曲げることには限界があります。

そこで、木管各部の繋ぎ部分に角度を持たせたのが一般的なバセット・ホルン。

まず、低音を得るためにクラリネットの足部管を長くしますが、長すぎる足部管を短くすべく「ボックス(箱)」と呼ぶ構造にて、管を1回半折り曲げています。

このため、中心軸を3つ有するボックス(箱)の外形は、あきらかに同心円ではありません。

また、低音域として3度低くするための音孔を開閉する長いキーを2本追加し右手親指で操作しますが、それらのキーを取り付けるキー台は、一般的な同心円状のベッド beading でなく、一部だけを利用しています。

このため、同心円ベッドをつくったあと不要部分を削るため同心円でない加工が必要となります。

さらに、真鍮製のベルは円ではなく楕円となっています。

結局、バセット・ホルンにおいて同心円状でない加工の対象は以下です:

 - マウスピース
 - 湾曲バレル
 - 角度あるニー(継手)
 - 下管のキー台
 - 足管のボックス
 - ベル

●まず同心円加工を施したもの

フォトは、穴あけ加工を済ませたバセット・ホルンの各部に対し、同心円加工を施してみた途中の工程を示しています。

左手前から、1.マウスピース、2.湾曲バレル、3.角度ニー、治具をはさんで、4.足管の一部。 そして中央には5.上管、奥には6.下管が見えます。

1.マウスピース: ここから先は手作業になります。 立体的で複雑な内部加工が決め手。

2.湾曲バレル: まず直線バレルをつくりました。 このあと、角度を付けて2分し、さかさまにして接着して2倍の角度を持たせ、そのあと、湾曲した曲線状に手作業を施す予定。

3.角度ニー(継手): まず直線の継手をつくりました。 バレルと同様に角度を付けて2分し、さかさまにして接着して2倍の角度を持たせます。

湾曲バレルと角度ニーの間に見える治具ですが、両端がソケットを持つこれらバレルとニーの加工に用いるもの。 わたしの木工旋盤チャックは任意の径を結わえることができる3つ爪/4つ爪ではなく、固定径用のため、片方のソケットつくりのあと他方のソケットつくりに結わえるすべがなく、この治具により固定します。 (この治具については、→こちらも参照)

4.足管の一部: ボックスへ結合する前のもの。 同心円加工で済みます。

5.上管: 寄木つくりを採用した上管上部と上管下部とを接合。 接合には、10mmのソケットとテノン方式を用いています。 丁度、ベッド部にて接合することにより継ぎ目はわかりません。 斜めに走る美しい杢(もく)の流れを意識した木取りですが、10数mmの縮まりにより不連続となるものの、違和感はありません。

6.下管: 上管と同様の寄木つくり。 接合部では、杢の流れを合わせるため鉛筆で印を入れて接着。 このあと同心円加工を可能な範囲で施しますが、キー台に関してはそれができず治具を用意します。


さて、これら同心円加工でできないものに対して、いろいろ工夫してまいります・・・


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