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zoom RSS バセット・ホルン:木管ですが金管の部分もあります

<<   作成日時 : 2016/01/09 20:03   >>

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画像楽器のつくり方 (187) 2016/1/9

バセット・ホルンつくりの連載です。

バセット・ホルンはクラリネット族の木管。 木管ですが、金管と同様に真鍮製のベルを持っています。

真鍮製のベルを持つ木管は、ほかにも種々あり(たとえば、→こちらのフォト)ベルが大きくなると真鍮製が用いられるのでしょうか。

この真鍮製ベルですが、どうやって作るかが課題。

●木管と金管のつくり方の差

木管では、旋盤を用いて材となる木を削りったり穴をあけ、材から必要な部分を削り出します。

それに対して、金管では真鍮板を丸めて管にします。 マウスピースを除いた管部分は、材から不要部分を削り落としていくのではありません。

丸めた板を半田付けし、木槌でたたいて成形し、最後に「絞り加工」を施します。

ベルの場合、ベル形状の心金を旋盤に結わえ、成形した管を挿入し、ローラーの付いた押し棒で押し当てて端から他端まで絞り、滑らかな曲線のベルが出来ます。

この心金をつくること自体金工加工の設備が必要で、とても大がかりとなります。

●ベルの形状の実際

バセット・ホルンのベルは、トランペットのベルとは異なり断面が円ではなく楕円です。

座って演奏するとき、楕円の狭い方を両ひざで挟むと固定しやすいでしょうか。

フォトは、入手したグレンザー Johann Heinrich Grenser モデルのベル図面。 詳しい寸法データはないものの実寸大ですから、数値は読み取れ、図面に多数の補助線を書き加え、各部の寸法を測って記入、。

中央に楕円(152.4mm x 78mm)が見え、楕円の長い方の曲線が左に、また短い方の曲線が右に書かれています。

この楕円ベルをどうしてつくるかが課題です。

木槌で叩くにしてもコツが必要で、また楕円の心金をつくったとしても、旋盤での絞りは「円加工「ですから楕円はできません。

そこで、円加工して得たベルを押し潰して楕円にすることが考えられますが、ノウハウがありそう。

●今回のベル設計

今回は、断面が楕円でなく円のものをつくり、楕円加工については今後挑戦してみます。

円加工でも真鍮板からつくるにはハードルが高いため、金管楽器のベルで代用できないか検討しました。

図面左は楕円の長い辺で、右はその短い辺。 ここで楕円の断面積と等価となる円の直径を求めて曲線を描き、この曲線に近い金管楽器を探すと、モダン・トランペットが見つかりました。

図面左において、灰色に塗った部分は、等価な円(設計値)と実際のトランペットの円との相違。 トランペットによる代用では、広がりが幾分狭く、したがってアドミッタンスが小さく (インピーダンスが大きく) なります。

結果として、低音域が下がり、含まれる周波数成分も幾分シャープになります。

バセット・ホルンはクラリネットに低音域を増やしたもの。 ベルの広がりを持つホルン(ポストホルンの例は、→こちら)とは異なり、ほとんど最低音域に影響するだけと予想します。

そこで今回は、モダン・トランペットのベルで代用してみます。

●ベルつくりの実際

フォトは、モダン・トランペットから流用して仕上げた真鍮製のベル。

オークションで探すと、とても古いトランペットが多数あります。 その中で、ラッカーが随所にはがれ、錆びのようなものが浮き上がって見苦しく、またピストンも動かないジャンク品を安価(¥1000)で入手しました。

ベル底から21cmのところを金ノコで、また支え棒も切断し、ベル部だけを切り離します。

板金用の半田コテで支え棒を温めて外し、あとに残った半田をヤスリで丁寧に落とします。

厚く塗られたラッカーを台所用クレンザー(研磨材、界面活性剤)を用いて磨くこと、1時間以上。

研磨後の白っぽい表面の真鍮が見えてきたところで、最後にフォト左上の「真鍮磨き」で磨くこと、5分。

ピカピカによみがえったベルが得られました。

この代用のベル、バセット・ホルンに特有の「ボックス」と呼ぶ足部管への挿入繋ぎ径が、ぴったり25mmで一致しており、ボックス部の設計変更を行わなずに済みそうです。


さて、どのような結果が得られるか、わくわくしながら先へ進めてまいります・・・


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