バロック木管図書館 woodwind

アクセスカウンタ

zoom RSS バセット・ホルン:マウスピースを手彫ります

<<   作成日時 : 2016/01/11 22:36   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像楽器のつくり方 (188) 2016/1/10

バセット・ホルンの復元つくりの連載を進めます。

クラリネット族のバセット・ホルンは、マウスピースに取り付けたリードにより発音します。

発音された空気の粒は管の中を進み、管の出口にて反射され戻ります。 リード地点でまた反射され管を伝わるとき定在波が起き、その定在波て決まるピッチの音がでます。

管は円筒状でとくに仕掛けはありませんから、マウスピースとリードが発音にとり重要な要素となります。

●同心円の加工

マウスピースでは、途中まで同心円加工を行います。 途中の加工の様子は、→こちらの画像の左端に見えます。

まず丸材をチャックに固定し、ドリルで内径(ボア)の穴を掘ります。 穴の深さは、同心円の内径が維持できるところまで。 その先は同心円ではありません。

穴掘りを終えると、あたかもマウスピースの先端まで同心円と仮定し、センタ間削りにて外径をつくります。 テノンや糸巻用の細かな溝も付けます。

この途中段階と完成段階での形状をBbクラリネットの例として、→こちらに記しました。

●同心円でないマウスピースの内径(ボア)の形状

フォトの背景図面は、マウスピースの側面図と上面図。 入手したグレンザー Johann Heinrich Grenser モデルですが、詳細な寸法までは記載されていません。

リードを載せるテーブル(レイ)ですが、先端部分が少し湾曲しており、リード先端において1mm前後の開きを持たせる構造となっています。

この湾曲度合は鳴りやすさに影響しますが、リードの硬さや厚さのパラメータと相関があり、また奏者の好みもあり、何がベストかは言えないでしょう。

レイ上面には、内径(ボア)の延長の開口部が見え、先端部で9.1mm、元で4.5mmととても狭い。

問題は、その開口部から同心の内径(ボア)へ至る内部の形状。

管の中心軸に直角な断面で台形に近い奇妙な形状。 台形上部はレイの開口部で狭く、底に向かって広がり、底面は円弧を描く特殊なもの。

この形状の詳細は図面に記載がありません。 記載がある他のモデルの例でも図面からは形状をすぐに理解するには難しく、実物を見た方が早い。

楽器博物館の実物を見ることができない場合は、モダン・クラリネットのマウスピースを参考にするとよく、わたしもモダン用を購入して理解しました。 一目瞭然。

マウスピースやバレルについて、初期クラシカルとモダンを比較した、→こちらも参照。

●マウスピースの手彫り

フォト右側は、バイスに固定された途中段階のマウスピース。 同心円加工したものを先端に向かって斜めにカットします。 このカットの量ですが、同心円の中心軸を超えて行います。

つぎに、レイ(テーブル)の面をつくります。 最終状態でなく、暫定的につくり、最終的には、リードを取り付けてレイの傾きや、湾曲度合を確かめて少しずつ削るようにします。

そして、フォト左の彫刻刀(3mm幅)など各種の刃物やヤスリを用い開口面から内径へと続くチャネルをつくっていきます。

このマウスピースの加工作業は、何回やっても難しいと感じます。



うまく仕上がり、音が出せるマウスピースが得られることを期待して、手彫りを楽しみましょう・・・



【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします・

バセット・ホルン:まず同心円加工を施します
クラリネット:マウスピースは同心円加工ではありません
バロック・クラリネットのバレルの誕生



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
バセット・ホルン:マウスピースを手彫ります バロック木管図書館 woodwind/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる