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zoom RSS バセット・ホルン:フライス加工用の冶具があれば便利です

<<   作成日時 : 2016/01/24 13:36   >>

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画像楽器のつくり方 (190) 2016/1/24

フライス盤をご存知でしょうか。

垂直Z軸で高さ方向に上下するエンドミルあるいはドリルを装着し、加工対象をテーブルに結わえたバイス等で固定します。

テーブルは、水平面内で、X軸で横方向に、またY軸で奥行き方向に移動させます。 すると、X-Y-Z軸の可動により立体的な加工が可能となります。

●木管つくりでのフライス盤の応用

(1)面出し
エンドミルの高さを一定として水平を保ち、同一面内にてX-Y軸を移動させることにより、平面出しが可能となります。 たとえば、人工象牙マウントつくりでの面出しに応用できます(→こちら)。

(2)ボール盤
ドリル刃に付け替えるとボール盤となります。 これにより、人工象牙マウントの穴あけ(→こちら)とか、木管の指穴などの音孔あけができます。

(3)斜め穴あけ
フライス盤のZ軸自体を傾けることが可能なため、斜めにあける指穴加工も行えます。

(4)溝掘り
木管のキー台にキーを取り付けるための溝を掘ることが可能で、木管の軸方向に移動させて行います。(→こちら

(5)キー台つくり
バロック木管のキー台は通常一周にわたる台ですが、クラシカルへ移行するにつれ、一周せずに部分的なものもあります。

一周であれば、旋盤による外径削りで済みますが、部分であるときには、それ以外の不要部を削る必要があります。 そこで、削る高さをZ軸で設定して、不要部を削ると、削られた部分は、高さが一定ですから、同心円加工ができることとなります。

●専用治具の設計

フライス加工において、加工物をテーブルへ固定するために、バイトに挟むことができます。 しかし、木管の同心を保つための軸合わせなど、その設定については少々面倒です。

そこで、木管を同心を保ったまま固定でき、回転することも可能な治具があれば、その治具をバイトにより挟むことにより、テーブル上でフライス加工をやりやすくできそうです。

フォトは、そのために設計した専用治具の設計図、および完成した治具の様子。 (フォトをクリックし、現れるフォトを適宜クリックして拡大すると、図面の詳細もご覧いただけます)


設計方針は:

- 同心の確保 (最大長における誤差0.5mm以内)
- 最大径 45mmφ
- 最大長 364mm(芯間) 中型木管のバセット・ホルンやテナー・オーボエに対応可
- 完全固定と回転固定のいづれも可
- つくりやすい木材をベースに適宜金属部品で補強

●治具つくりの実際

旋盤上で同心を確保した「駒」をつくり、2つの「駒」で、同じく同心を確保して加工した木管をはさむことにより、加工時の同心を確保できます。

フォトの手前は、その「駒」の様子。 とても固い、モパーネ Mopane 材でつくりました。 旋盤上で、中心に7.5mmφの穴あけを行い、その穴をセンターで結わえた状態で同心円加工を施します。

両端に「駒」を固定する板に正確な位置関係を確保すると、同心を保ったフライス加工が実現できます。

駒は、8mmφのねじを取り付け、板にナット止めしますが、片端の「駒」は、木管の長さにより可変とすべく、レールに沿って移動できるようにします。

移動レールを、8mmφのねじ(長さ500mm)で2本つくり、これら2本を正確に平行とします。

基台を木製とすると、ナット締めにより中心に向かう力により反りが生じますから、これを避けるために、基台の裏には、凹型のアルミ材を2本平行に走らせて、補強します。

各ねじの位置関係を正確に保つために、両端、および中間の3枚の板を切り出したあと、直線・直角が確保された部分を基準に3枚を正確に合わせ、クランプで固定し、3枚を同時にボール盤加工します。

すると、両端における駒のねじ位置を正確に確保したうえで、さらに中間板を正確に平行移動できます。

使用材は:

- 540 x 80 x 12mm厚 集成パイン材  1枚  基台用
-  70 x 80 x 12mm厚 集成パイン材  3枚  両端と中間固定板用
- 500mm x 8mmφねじ    2本  移動レール用
-  45mm x 8mmφねじ    2本  駒取付け用
-   8mmφ用 ナット       8個
-   8mmφ用 ワッシャー    16個
-  L型金具  4個
- 4mmφ x 25mm ボルト/ナット/バネ座金/ワッシュー2 4組
- 15 x 15 x 500mm 2mm厚 凹型のアルミチャネル  2本
- 4mm x 12mm 木ねじ  10個 

フォトのような治具が完成しました。


これをフライス盤に取り付けて、バセット・ホルンの上管と下管の各種加工を行ってまいります・・・


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クラリネット:フライス盤による象牙マウントの直角出し
クラリネット:フライス盤でベルの人工象牙を加工します
クラリネット:フライス盤を用いてキー溝を掘ります



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