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zoom RSS バセット・ホルン:足管ボックスをいかにつくるか

<<   作成日時 : 2016/02/11 00:57   >>

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画像楽器のつくり方 (194) 2016/2/11

バセット・ホルンつくりの連載を続けます。

奇妙な構造のバセット・ホルンですが、足管の主要部である「ボックス(箱)」がそのきわめ付けといえるでしょうか。(→こちらの図面も参照)

全体的に四角い形状からボックスと呼ばれますが、モデルにより形状はさまざま。

●クラリネット類の重量配分

モダンクラリネットには重い硬材であるグラナディラ(アフリカ黒檀)が用いられる上に、多数のキーメカニズムが付けられ、全体に重い楽器です。

その重量を支えるのは右手親指の爪の横腹。 重くて痛いうえに、ここにタコができます。

このように重いモダンクラリネットですが、さらに大型のクラリネット族を支えるのはつらく床に伸ばした杖状の棒で支えるものもあります。

バセット・ホルンの足管ボックスの材として、固くて緻密なボックス・ウッド(欧州黄楊)を用いると重く、重心が低くなります。

右手親指にかかる重量が大きいために支えることがつらい上、右手親指は裏面配置の2本のキーを操作しなければなりません。

このため、着座演奏ではベル部を両足で挟み固定するのでしょうか。

●奇妙な足管ボックスの形状

フォト右は、欧州黄楊の半丸太から木取りした材(→こちら)を大まかに加工した足管ボックスの様子。 楽器を構えたときの上面とフォトでは反対となっており、フォトでは上の面が、実際には底の面です。

半丸太の切り口がきれいな平面であったことから、足管ボックスの上面に利用。 この面を基準として、平行な下面をフライス盤による平面出しを行いました。
(フライス盤による面出しは、→こちらを参照)

さらに直角を意識して、必要な垂直面や、斜めの面をノコで切り、やすり類で荒削りをしています。

この足管ボックスですが、平行の上面と底面には、真鍮板がつきます。

そのため、フォトに見えるようにそれぞれの面に、真鍮板をボルト締めできるように、「鬼目ナット」を埋め込んでいます。

この鬼目ナットですが、内径穴あけに必要な軸形成のための治具を取り付けることもできそうです。 検討してみる価値はありそう。

一方、フォト左は、足管の一部で、下管との接合部。 これを足管ボックスに結わえる予定。


●3本の穴

足管ボックスには、3本の内径が走ります。 フォトでは上面に1番、2番、3番の印を持つ3つの円が見えます。

下管と接続された足管の一部から続く、フォトの下面からの1番穴が上面まで達すると、2番穴と結合され、2番穴は上面から下面へ向かいUターンします。

2番穴が、フォトでの下面に達すると、3番穴に結合され、3番穴は下面から上面へ向かってUターンします。

このようにして、内径は1往復半の旅を終えると、3番穴に接続されるブラス・ベルから抜けます。

こうして、バセット・ホルンに必要な低音を売るための長い管を、短い足管ボックスの中を1往復半させることにより実質の長さを確保します。

●3つのキー台つくり

足管ボックスには、3つのキーとして、E/Bキー、ボトムDキー、ボトムCキーが付きます。

入手した図面は、測定データがなかったり記載ミスが見られ、ここではボトムDキーとボトムCキーの表示が逆とみえます。

フォトで、足管ボックスの切り立った面には、E/B、ボトムD、ボトムCの3つの音孔を鉛筆書きしています。

下管に近くにある最初の音孔であるE/B孔は、フォトの3つの音孔のうち真ん中のもので、この音孔は、1番穴にあけられます。

つぎに、フォトの左のボトムD孔は、同じく1番穴にて少し離れたところにあけられます。

最後に、フォトの右のボトムC孔は、Uターンされた2番孔にあけられ、さらに遠くの位置にあります。

このようにして3つの音孔を対応するキーで閉じることで、最低音域が、E音、D音、C音と下がっていきます。

ボトムC音を出すとき、ボトムCキーのほかボトムDキーも合わせて押えて閉じることとなるでしょう。

これらの3つのキー台のうち、ボトムCキーについては、真鍮製ですが、今回は、欧州黄楊材を接着して作る方法も検討してみます。


このあと、3つの内径の穴あけを行いますが、3軸ありますから、どのように加工すべきか工夫して進めましょう・・


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