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zoom RSS クラリネット:クロスフィンガリングにより音階をつくります

<<   作成日時 : 2016/02/17 23:21   >>

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画像かわいらしいほど小さなクラリネットでも低い音がします。

閉管ですから、開放端で振幅の腹となるまでの基音の管の長さが、1/4波長。

これに対し、トラベルソやオーボエなどの開管では、基音を得るのに1/2波長。

クラリネットは、トラベルの半分の長さで済むのです。

フォトは、F管のバロック・クラリネット。(→こちら

復元したのは1998年4月。 もう、18年も前。

ロンドン駐在時に、ひたすら車を飛ばし、しばしばオックスフォードを訪れました。 オックスフォードは街全体が大学(→こんな風景)。

ここに音楽学部の楽器博物館というべきベート・コレクション Bate Collection) (→こちら)があります。

いくつかの展示楽器について、手に取り研究させてもらいました。 そのなかの一つがこのF管のクラリネット。

館長によると、マウスピース(バレルとの一体型)は現存せず、当時の形を参考にして、クラリネット製作家(アッカーマン氏だったと記憶)が復元し寄贈したとのこと。

この楽器、計測されていますが、マウスピースについてはデータがありません。 そこで、わたしもマウスピースのみ計測を試み、購入した図面と合わせてデータを持ち帰りました。

そして復元楽器を携え、再び訪れ、館長の前で音も出してみました。

このような楽器つくりですが、英国滞在時に始めたのです。

入手したばかりの欧州黄楊は、十分乾燥させる必要があるものの待てません。 作りたいあまり、乾燥させずにつくってみました。

まっすぐだったのが、徐々に曲がりはじめ、相当曲がって止まりました。 以来18年経ち乾燥させてきていますが、当然曲がったまま。 曲がっていても、ベート・コレクションでの研究の記念品ですから、気にしない、気にしない。

欧州黄楊のプレーンのオイル仕上げたばかりは、明るい黄色。 それが、18年経って、みごとな飴色に。 博物館のオリジナル楽器のような、飴色の風合いには魅力を感じます。

帰国しても楽器つくりを継続する中、初めて楽器展示会に参加したのが、古楽コンクール<山梨>2006。(→こちら

それ以来、各種の展示会に参加するたび、このかわいらしいクラリネットを飾ってきました。

展示会を訪れる親子連れの中には、決まって小学生もいます。 すると、リコーダくらいの大きですから、小さな手にぴったり。

このF管のクラリネット、いったいどのような目的でつくられたのでしょうか。 木管を含め吹奏楽器は、古くから軍楽隊に用いられたようですが、はたしてバロック時代ではどうだったのでしょう?

2鍵しかない、このF管の運指表は見かけないものですから、自分でつくってみました。 半音階のためのキーはありませんから、リコーダと同じように、すべてクロスフィンガリングで半音階をつくります。

あわせてピッチの実測も。 A=415Hzでした。 かなりクロスフィンガリングを工夫しないと、正しい音階に近けることができません。 モダンのクラリネット族とは、根本的に異なりますね。

このF管、わたしの木管つくりの4本目(製造番号9804)。

クラリネットでは、2本目と3本目は、ともにジョージ・ミラー George Miller の6鍵クラシカル・クラリネット(→こちら)。

いまつくっているクラリネット族のバセット・ホルン(グレンザー Johann Heinrich Grenser)は、クラリネットつくりの4本目。(→こちら

さらに、これからつくりたい木管も数多くあり、すでに図面入手のものとして、グレンザーの9鍵のBbクラシカル・クラリネット、そして、変わったものでは、シュスター Gottfried Schuster のC管クラシカル・クラリネットがあります。

これらクラリネットは、すべてお世話になったベート・コレクション所蔵の楽器です・・



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