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zoom RSS バセット・ホルン:足管ボックス部のU字管をつくります

<<   作成日時 : 2016/02/27 21:33   >>

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画像楽器のつくり方 (197) 2016/2/27

バセット・ホルン復元つくりの連載を進めましょう。

足管ボックス部の構造は変わっています。(→こちら

内部で管が2回Uターンします。 問題は、どのようにしてこのUターンをつくるか。

●Uターンを持つファゴット

オーボエ族の低音楽器で、ファゴットという木管をご存知でしょうか。 管が長く、床に届く前に上方向に曲げます。 開口部のベルは上を向き、奏者の頭近くに来ます。

その構造ですが、ブーツジョイントには、垂直に2本の穴が走り、ブーツジョイント底のU字管でUターンします。

バロック・フォゴットでは、モダン・ファゴットに見られる金属パイプのU字管はありません。 カエデ材の2本の穴を結ぶ、長円の溝が掘られています。 溝は、長円の栓(コルク)で塞がれ、U字管が形成されます。

●Uターンを持つランケット

低音木管として、ファゴットのほかには、バロック・ランケット(ラケット)があり、円筒形の材に10本の穴が縦にあけられます。

クルークが付く1番穴は、上から下へ向かうと底でUターンし、2番穴で上向きます。2番穴は 天井でUターンし3番穴で下へ向かいます。 これを繰り返し、最後のUターンで上に向かう10番穴には、ファゴットと同様のベルが接続されます。

このランケットにおいても、UターンするU字管において長円の栓が付けられます。

●U字管をつくる

バセット・ホルンの足管ボックス部の図面(→こちら)には、U字管の情報が不足しています。 天井と底には、真鍮プレートが付き、外せないためにU字管の詳細が得られないのでしょう。

そこで、バロック・ファゴットと同じ溝方式によるU字管をつくることとしました。 長円の栓に4mm厚板を用い、溝の深さとして、内径14.5mmほどを加算し、18.5mmとします。

ここで、内径断面は円。 断面に円を維持したまま溝を掘りたくも、そのような溝を掘ることはできません。 曲がる内側カーブ断面を円に保ち、外側は板状の栓のため平面底とします。

それにしても、どうやって内側カーブ断面を円を保ち加工するか?

材の欧州黄楊材は緻密で固く、彫刻刀などによる手彫りはきつい。 そこで、フライス盤を用います。 通常のエンドミルは、平面加工用であり、ほかのものを考えました。

クラリネットの内径は14mm。 径が丁度14mmの回転ヤスリがあります。 (→こちらのフォト中央も参照)

これまで、フライス加工にエンドミルでなく、ドリル刃を用い、X軸(またはY軸)を少し移動して径を拡げました(→こちら)。 それなら、このヤスリをフライス加工における刃物として利用できないか。

フォトは、フライス盤に固定したボックス部。

3本の穴のうち、1番穴は、足部管の一部と接続すべくソケット加工しています。

ここで、2番穴と3番穴を結ぶ幅15mmほどの溝をこのヤスリで掘りました。 少しずつ穴を拡げる要領で、2つの穴を結ぶようにします。

ここで、14mmφのヤスリの先は半円球であり、14mm〜15mmの溝の内側カーブをそのままできる形状なのです。

このあと、ボックス部の底にも、1番穴と2番穴を接続する同様の溝を掘りました。


このあと長円の栓をつくり、ボックス部で延長された管により最低音域の音が出るか試してまいります・・


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