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zoom RSS バロック・オーボエ:18年乾燥のボックスウッド(欧州黄楊)材の木組み

<<   作成日時 : 2016/06/01 22:17   >>

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画像楽器のつくり方 (206) 2016/6/1

欧州黄楊(ボックスウッド European boxwood)は魅力ある材(→こちら)。

固くて緻密ななためバロック時代から木管楽器の主要な材として用いられました。

その色合いや独特の風合いのほかときに杢(もく)が混じり、その模様も魅力を感じます。

各種の黄楊材については、→こちら、や→こちらを参照ください。

●十分な乾燥

10年以上にわたり自然乾燥を施すことが理想的。

理由は、水分を多く含んだ材を加工すると、そのあと乾燥するにつれ縮むから。 ここで一様に縮むのでなく、年輪の内側と外側で度合いが違うことから、「曲がり」ます。 (曲がった様子は、→こちら

黄楊は広葉樹で、陽の光を求めて枝を自由に伸ばし、杉や松などの針葉樹のようにまっすぐ上に伸びるわけではなく、縦の繊維は曲がっています。したがって、乾燥するにつれて縮むときも一様でなく「曲がる」こととなります。 (実際に楽器が曲がった例は、→こちら

フォトは、1998年に購入して以来、18年ほど自然乾燥してきた欧州黄楊材。 17年乾燥時点で角材を丸材にし、さらに1年乾燥しました。

●欧州黄楊材の木組み

曲がって育つ木では長い材を取ることが難しいく、長いものでも12インチ(30cm)ほど。 実際には、4インチ(10cm)〜9インチ(23cm)あたりを入手することとなります。

バロック木管つくりにおいて、長い黄楊材が集まらないときは、「寄木つくり」により、短い材を複数用いればよく、加工もしやすくなります。

寄木つくりの例を示します:

 - バロック・オーボエ →こちら
 - クラリネットは    →こちら
 - テナー・オーボエ  →こちら
 - バセット・ホルン  →こちら  (木組みによらず木取りした寄木つくりの例)

それぞれの材は、もともとバラバラですから、木目の流れ、緻密さ、色合いや杢の入り方などがさまざま。

1本の木管として「寄せる」ために木組みにより、似た色や緻密性などが似通ったものを集めます。

フォトは、バロック・オーボエ用に3組の木組みを行ったもので、各組は、上管を2分割した2本と、下管を2分割した2本とベル材からなります。

欧州黄楊材は一般に黄色ですが実際色はさまざま。 木組みの方針としてまず色を合わせます。

 - 左側組: やや赤みがかった黄色

 - 中央組: きれいな明るい黄色

 - 右側組: 薄い青灰色がかった黄色

つぎに、木目(縦の繊維の流れ)により各材の「上」と「下」の組合せを行って流れが自然になるようにします。 

ここで木口をには年輪が見え、芯に近くは小さな円で芯から離れると大きな円となります。 各材の木口を見て、小さな円どうしを合わせるようにすると、木目の流れが合いやすい。

多くの材の中からの木組みを試みて決定すると、各材に「上」や「下」を鉛筆で記入しておくとわかりやすい。

●復元製作したいバロック・オーボエ

つくりたいモデルは種々あり、以下の2種から始めます。 3組のうちの2組の材を用いて開始しましょう:

(1) ステンベルゲン Steenbergen  オリジナルピッチ A=415Hz

(2) ステインズビー Stanesby Senior  オリジナルピッチ A=409−415Hz



厳選した欧州黄楊材によるバロック・オーボエの復元つくり。 よい音色となるかワクワクします・・・



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