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zoom RSS バロック・オーボエ:ノミ1本で外形をほとんど削り出します

<<   作成日時 : 2016/07/02 23:53   >>

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画像楽器のつくり方 (210) 2016/7/2

ステンベルゲンとステンズビーの2種モデルのバロック・オーボエを寄木つくり・分割方式により同時・並行に復元しています。

内径形状(プロファイル)をリーマーを用いて仕上げました(→こちら)。

内径リーミングについても、リーマーを分割型としたことで加工がきわめて楽になりました。

●音響特性は内径で決まる

木管楽器の外形は、さまざまなデザインがなされています。 しかし内径は比較的単純な構造をしており、オーボエの場合では、先へ向かって拡がるテーパーをなします。

その内径で音響特性がほぼ決まり、外形は特性にほとんど影響しません。

バロック様式では装飾性に富むデザインが好まれ、内径と全く異なるさまをしているのです。

●バロック様式の装飾の外径削り

バロック木管の外形は、それまでのルネッサンス木管の単純な円筒形に比べ、その円筒がゆるやかなカーブを持つようになります。 そして、そのカーブに加えて、装飾部分が付加されます。

装飾部分ですが、オーボエでは上管のトップから10cmあたりまで、下管ではトップから4cmあたりまであります。

これらの装飾は、なめらかな曲線と繊細な切込みからなり、それらの加工は木工旋盤上でのみを用いて手で削り出します。

オーボエの場合の削り出した例は、→こちら。 またオーボエ・ダモーレの場合は、、→こちらを参照ください。

●外形削りで使用する刃物

木工旋盤で加工する際に使用する刃物ですが、種々ののみを用います(→こちら)。

その中で、微妙でなめらかな曲線や、幅が狭い段差や細い溝を掘るには、きわめて小さいサイズのノミが有用となります。

フォト手前の2本は、そのためのノミ類。 いずれもパーティング(突っ切りノミ):

 手前:   幅1mm
 その奥: 幅3mm

幅1mmパーティングは溝掘り用で、通常1〜2mmを掘ります。 このような細い溝に対しては幅3mmパーティングが使用できません。

しかし、それらの細い溝掘り以外の個所では、幅3mmパーティングで加工できます。

この幅3mmパーティングですが、わたしは、オーボエ外形加工の95%を、この1本で済ませており、重宝しています。

一般に、木工旋盤を始めると種々のノミ類が必要な気がして揃えることが多いようです。 しかしバロック木管つくりに関して言えば、通常用いるノミは限られ、必要なものから順に揃えるとよいでしょう。

●外形削りの実際

フォトの奥に見える4本は加工中の2種のバロック・オーボエ。 奥の2本が、ステンズビー・モデル。 手前2本が、ステンベルゲン・モデル。 奥から順に紹介しましょう。

(1) ステンズビー上管

リーミング処理を完了した、上管その1(上部)と上管その2(下部)とを接合したもので外形削りは未開始。

嵌合するよう正確にテノンとソケットをつくり、ボンドで接着しています。 木目の流れを合わせるべく、年輪の内側どうしを合わせ鉛筆で印をつけておくと作業が楽です。

(2) ステンズビー下管

外形削りには、位置と径の両方にわたり正確に行う必要があります。 そこで、位置について、装飾を施す基準個所に印をつけ、大雑把な径にて削りだします。

(3) ステンベルゲン下管

正確な径に近づけるとともに、装飾部分を加工します。 およその形ができました。

(4) ステンベルゲン上管

さらに各部の位置関係と外径を正確に追い込み、仕上げます。 そのあと、サンドペーパーを用いてサンシングを施しました。


オーボエの外形イメージが現れてきました。 2種モデルとも、上管と下管の仕上げ加工を施してまいります・・・


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