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zoom RSS バロック・オーボエ:キーに丸みを持たせます

<<   作成日時 : 2016/08/05 11:03   >>

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画像楽器のつくり方 (215) 2016/8/5

2種のモデルのバロック・オーボエを復元しています。

つくり方を連載の形式で紹介し、各工程にしたがってどのように完成してゆくのか分かります。

これまで、内径(ボア)つくり外径(外形)削りを終え、タング・オイル(桐油)ベースの仕上げオイルでオイリングを済ませていました(→こちら)。

●リンシード・オイルのどぶ漬け

木管楽器の内径(ボア)は、吹奏楽器の特有の水分で濡れます。 そこで、水分の吸収を防ぐためにオイリングを施します。

一般に、リンシード・オイル(亜麻仁油)を用います。

木材の中にオイルを浸透させるのですが、意外にも浸み込みません。 オイルハーデンドにより材を少し固める働きもあります。

よくしみこませるためにオイルの温度を高めたオイル・バスの中に漬けることが行われます。

このどぶ漬けに対して、内径だけのオイリングですから、管の下側に栓を付け、上からオイルを注ぐ方法もあり、今回、施してみました。オイルの量も少なく、結構扱いやすい工程となりました。

このリンシード・オイルですが、乾燥に相当長い時間が掛ります。

●キーつくり

一般にバロック木管のキー材質ですが、真鍮(ブラス)のほかに銀もあります。

2種のモデルのオリジナル計測図面やフォト等によると、オリジナルのキー材質は銀製。 そこで、キー材として、洋白(洋銀、ニッケル・シルバー)を用いてみました。

バロック・オーボエのオリジナルのキー材の厚さは、1〜1.5mmほど。 そこで、1mm厚の洋白板からキーを切り出します。 (洋白の切り出しの例は、→こちら

キーの寸法の図面をつくり、コピーしたものに両面接着テープで材の板に貼り(→こちら)、金ノコで概略切り出しを行い、そのあと金ヤスリで形を整えます。

●キーの局面だし

キーは指で操作しますが、そのタッチ(感触)をよくするため、滑らかな曲線となるようにするとよいでしょう。 実際に、単に材の板を切り出したものと比べるとその差は大きい。

バロックからクラシカルへ移行すると、キーの数も増え、いわゆる多鍵楽器となりますが、同時にキー形状が丸みを帯びた立体的な形状に変わります。(バセット・ホルンの例は、→こちら

バロック・オーボエでは、C/C#キーは、いわゆるフィッシュ・テール(魚尾)の形状を持ち、右利きと左利きに対応すべく、左右の手のいずれでも操作できるように対称になっています。 この対称のキーは、下管の丸い断面と同心となるように丸みを帯びています。

この丸みのふくらみを持たせるため、丸みを持ち上下から材を挟む治具をつくり、玄能でキー材に圧力を加えてみました。

●Ebキー

バロック・オーボエでは、左右の手のいずれでも操作できるようになっています。 C/C#キーのフィッシュ・テールのほか、Ebキーも左右2つ付けられています(→こちら)。

今回の復元モデルのオリジナル楽器は、Ebキーが1つのものと2つのとなっています。

 - ステンベルゲン Steenbergen 2つ
 - ステンズビー  Stanseby    1つ

このEbキーの数ですが、バロックからクラシカルに移ると、下管を右手で構え右指で操作するのみとなりました。

多鍵に伴い、多くのキーを左右いずれの手でも操作できるようにすることが不可能となってきたことも理由のひとつでしょうか。

●キーみがき

キーの形状ができると、サンドペーパーおよびスチール・ウールにより磨きを掛けます。

 サンドペーパー  #240/280/320/400/500/600/1000/1200/1500/2000/2500
 スチール・ウール #00/0000

フォト左は、仕上がったステンベルゲン Steenbergen 用、右はステンズビー Stanseby 用。

●ピボット材の加工

キー板をキー台に取り付けるには、ピボット(回転軸)材が必要で、板とは別につくり取り付けます。 取り付けた様子は、→こちら


今後は、下管にキー溝を掘り、キーパッドが接する平面を、導入したフライス盤により加工(→こちらも参照)し出来上がったキーを取り付けてまいります・・・



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