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zoom RSS テナー・オーボエ:山桜材を用いて Denner モデルをつくってみます

<<   作成日時 : 2016/12/23 13:55   >>

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画像楽器のつくり方 (223) 2016/12/23

18世紀バロック時代の木管楽器の復元製作のあらたな試みとして、テナー・オーボエを山桜材を用いてつくります。

オーボエ類のなかで大きな部類に入るテナー・オーボエは、通常のC管オーボエより5度低いF管のオーボエ。

これまでに、内径が広めでベル・フレアがダモーレのように丸いオランダのワイン R.Wijne モデル(→こちら)を復元しました。

これに対し、オーボエの長さを単に1.5倍大きくしたような姿を持つテナー・オーボエにドイツのデンナー J.C.Denner モデルがあり、これを選んでみました。

●材の選定

バロック時代の木管楽器の材の代表はボックスウッド(欧州黄楊) European Boxwood (→こちらも参照)。 硬くて緻密なことからチェスの駒や彫刻の材としても用いられてきました。

良質の欧州黄楊を用いてバロック・オーボエを復元してみると、あきらかに独特の「木の音」がし、これに代わる材がないと思えるほど魅力的。

ただ大型のテナー・オーボエに比重0.93の欧州黄楊材を用いると結構重いもの。 先につくったワイン・モデルでは、長さとあいまって演奏するには慣れが必要。

問題は、大型化に伴ってベル材の確保が困難なこと。 ベルの最大径75Φにマージンンを加えると、入手すべき材は80Φ。

ベル材は、丸太から採る方法と角材から採る方法があります。

年輪の中心である芯を含む木材を乾燥させると、心材と辺材の収縮率の相違によりワレが生じます。 このため、通常、芯を外して板材を取り、そして板材から角材を得ます。

大きな径が採れない広葉樹の欧州黄楊材では、ぎりぎり4つ割りを行います。 すると80Φを取るには、直径が226Φ(80 x 1.41 x 2 = 226)の材が必要で、樹齢100年を超える根っこ近くから採ることとなり、とても貴重。

木管楽器の大型に伴う重量を軽減するためには、より比重が小さな材を選定することもあります。 ファゴットではメープルが、またバス・リコーダでは、メープルのほか、ブビンガ(→こちらも参照)も用いられます。

それ以外の材も検討し、今回は、山桜材(比重0.6)を用いてみることとしました。

●入手した材からの木取り

80Φのベル材の確保は困難で、80mm以上の角材(ブロック)を得る必要があります。

そこで、ワイン・モデルのときと同様に、寄木つくり方式(→こちらも参照)でベルをつくることとし、ベルの最大径あたりと、それ以外の部分とに分けます。 すると、64Φの材を入手するとなんとかなります。

入手した材は、64mm厚の板材(304 x 150 x 64mm)。

この材から寄木つくりの以下の部材を木取ります:

 ・上管の上部: 38Φ x 153mm
 ・上管の下部: 26Φ x 185mm
 ・下管の上部: 42Φ x 214mm
 ・下管の下部: 38Φ x 147mm
 ・ベルの上部: 64Φ x 191mm
 ・ベルの下部: 80Φ x  38mm

入手材を見ると、入り皮や根本近くの荒れや内部のワレ等が見られます。 これらを外し、パズルを解くがごとくぎりぎりの木取りを実施。

フォトは、木取りを行った様子。

左上は、ノコ引きしたあとの端材。 わずかしかなく歩留りは上々。 木取りした各部の角材を丸材にしました。

●ベル部の構成

右上は、80Φのベル材。

64mm厚の材から直接80Φは取れません。 そこで、64mm厚から、長さ115mm、厚さ38mmの材を隣り合わせで2枚取り、木目のつながりを考えて共通の面を接着します。

接着に当たり、事前にベルト・サンダーで面出しを行い、また得られた115 x 64の平面から、入り皮などの部分を外すようにして、80Φが取れるように切り出します。

そのあと、両サイドもサンディングして面出したものを木工旋盤で80Φの丸材にして完成。


さて、デンナー・モデルのテナー・オーボエつくり、寄木造りにより進めてまいります・・・



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