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zoom RSS テナー・オーボエ:桜材の表情も美しいものです

<<   作成日時 : 2017/02/02 22:54   >>

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画像楽器のつくり方 (225) 2017/2/2

山桜材でつくるテナー・オーボエの連載です。

テナー・オーボエの寸法が、通常のバロック・オーボエ(C管ソプラノ)と比較して1.5倍もあり、材の入手に苦労します。

とくにベル材の確保をどうするか? この解として、寄木つくり方式(→こちら)をさらに進め、パーツ組み合わせ方式としました。(→こちらを参照)

入手した山桜材からベル用の寄木パーツ:

 ・ベルの上部: 64Φ x 191mm
 ・ベルの下部: 80Φ x  38mm
  (115 x 6 x 36mm 2枚を貼り合わせ、80Φの36mm厚を確保)

●ベルつくりの手順

ベルの上部を通常のベルと見立てて加工します。

・最初に、上部の下面をチャックで結わえ、上面にソケットをつくります。

・ソケットに対して同心を確保した「チャック結わえ」をつくり、ひっくり返してチャックに結わえます(→こちらを参照)。

・そして、径の異なるドリルやフォースナー・ビットを順に用い、下面から階段状の穴を掘ります。(そのイメージ例は、→こちら

・掘った後、内ぐりを行って階段状を滑らかにします。(そのイメージ例は、→こちら)。

・次に、ベルの下部を取り付けるためのソケットをつくります。

・ベルの下部には、つくったソケットに丁度合わさるようにテノンをつくり、嵌め込みます。

・ここで、寄木パーツを組み合わせると、一般に木目のズレや色合いの違いが見られ、見た目に安定感を損ねます。 そこで、なるべく木目の流れがつながるような場所を見つけて接着します

・接着が済んだら、ベルの下部にも、順に穴をあけて拡げ、所望の内径となるように内ぐります。

・このようにして内径加工が完成すると、外径削りを施してベルの完成。

●つながった木目の流れと杢(もく)の美しさ

フォトをご覧ください。 サンディングとオイリング仕上げを行ったベル。

同一の材から木取りを行ったわけですから、色合いや雰囲気については問題ありません。

では、木目の流れはどうでしょう。 上部と下部の流れがかなり合っているように見えます。 合う側を正面としたので、裏面ではつながりません。

杢(もく)が見えます。 杢は、木目が縦に平行に走る「柾目」の面で、木目に直角に縞模様となって現れます。(木目の美しさや杢については、→こちらも参照。) 

旋盤加工時には、刃の当て方の「ムラ」により横筋が現れることがあり、オイリング後に目立ちます。 これは、カエデ材に良く起きます。 山桜材でも、「ムラ」が多く発生しました。 しかし、オイリング後に見られるのは、その筋ではなく、元来の「杢」でした。

杢の縞模様ですが、見る角度により微妙に変化し、木の内から透けて見えるような美しさがあります。 フォトでは、固定の角度からの撮影ですから、その美しさが十分に見えませんが、実物を手に取ると、よくわかります。


初めて使用した山桜材。 欧州黄楊ほどの緻密さはありませんが、まずまずでした。 上管と下管についても、同様に寄木つくりで進めてまいります・・・



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