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zoom RSS テナー・オーボエ:専用の木製リーマーを設計します

<<   作成日時 : 2017/02/18 19:56   >>

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画像楽器のつくり方 (227) 2017/2/18

山桜材でつくるテナー・オーボエの連載を続けましょう。

先に、寄木パーツ組み合わせ式にてベルをつくりました(→こちら)。

残る、上管と下管については、寄木つくりにてそれぞ2分割方式として木取りを行いました(→こちら)。

次のステップですが、それぞれの分割部分に穴あけを施し、内径をつくるためのリーマーにより加工し、加工した部分どおしを接着して一体化します。

●バロック木管の内径設計

オーボエに限らず、バロック木管の内径は複雑なテーパー形状をなすものが多いようです。(トラベルソの例は、→こちら

人が操作して押えることがきる指穴間隔は、手の大きさで制限され、40mmを超えると指が届きにくくなります。

テナー・オーボエの寸法は、通常の(ソプラノ)オーボエの1.5倍あり、長さも比例して長くなります。 すると、通常の35mm前後の間隔の、1.5倍となると53mmほどにもなりますから届きません。

指穴の大きさを小さくすると、等価的に、理想位置にある大きな穴を引き寄せることができ また、内径を絞ると、抵抗が大きくなりますから音(ピッチ)が下がります。

設計の段階では、指穴の位置や大きさ、それに各所での絞り度合い、すなわちテーパー度合いを変えることで、指穴間隔を手で操作できるようにします。

一方、各音のピッチ調整(調律)の段階でも、指穴の大きさを変えたり、アンダーカットを施したり、内径拡げを行います。 結果としてバロック木管の内径のテーパー形状は複雑なものとなります。 

楽器博物館等にあるオリジナル木管の中には、内径の測定がなされたものがあり、データを入手してみると複雑な形状が見られます。

ここで、オリジナル楽器を復元する際に、そのような複雑なテーパーをどこまで再現すべきか迷います。 調律段階で付けられた変化も再現するのかということ。

調律の際の変更値を除外しテーパーを付けることとして、どの変化がそれに当たるのかを検討しなければなりません。

●内径設計とリーマーの製作

検討した内径―の形状に合わせ、必要なリーマーを設計します。

フォト手前は、上管とその木製リーマー。 (木製リーマーについては、→こちらも参照)。

上管の寄木つくり方式で、上部と下部に分けてつくり、内径部分について、リーミングを行ったものを継ぎ合わせたもの。

フォトのリーマーは上管下部用で、フォトにはありませんが、上管上部用もつくり加工しています。 リードのウェル(井戸)については、ピンゲートリーマーにより加工しました。

フォト奥は、下管とその木製リーマー。 下巻も寄木つくり方式で、上部と下部に分けてリーミングののちに接合しています。

テナー・オーボエは、管長が長く、穴あけやリーミングの加工において、長いドリルやリーマーが必要となるだけでなく、加工が困難になってきます。 寄木つくり方式を採用し、分割することで、短いもので済むだけではなく、加工も楽になるのです。


さて、次のステップはバロックの装飾性を高めるため、精密な外径を削りの施し(イメージは、→こちら)てみましょう・・・



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