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zoom RSS バロック・オーボエ:理想のピッチ特性を示す P. Paulhahn モデル

<<   作成日時 : 2017/04/24 12:30   >>

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画像楽器のつくり方 (237) 2017/4/24

ポールハン P.Paulhahn モデルのバロック・オーボエを2種の材を用いて、同時進行にて復元する連載も終了間際となりました。(→こちら

キー取付けと調律およびピッチ測定を残していました(→こちらを参照)。

フォトは、そのキーを取り付け、調律してピッチ測定した様子。

ピッチ測定は、楽器の静特性にすぎませんが、すくなくともA=415Hzに対して、全音域でフラットとなる理想的なデータが得られました。

フォトをクリックし、現れる画面のフォトを次々クリックし、拡大していただくと、データ値を方眼紙から読み取ることができます。

○印は、欧州黄楊製(#1748)で、●印は、本紫檀製(#1749)のプロット・データ。+−8セント以内。

これまで、このPaulhahnモデルがきわめて安定し、良く鳴る楽器と紹介してきました(→こちら)。

そこで、再び、このモデルを取り上げ、再現性があるのかを確かめたくて、2本をつくったところ、見事に実証されました。

●内径のテーパー

少なくとも作る立場からは、このモデルがきわめて安定していますが、その理由は、オリジナル楽器の内径の測定データから、テーパーが素直な直線をしているからと思われます。

内径(ボア)の計測値は、通常、複雑なテーパーを見せますが、それは調整時における内径削り(チェンバリング)によることも多いため。

調律の際に行う手法に、指穴や各種音孔の拡げ、アンダーカットがあり第3番目に内径削りがあります。

このPaulhahnモデルの指穴の位置と大きさが、内径設計と相まってきわめてうまく設計されているのか、内径削りを要せずに調律ができるという意味で、安定しているのです。

ここで、内径のテーパーですが、オーボエの場合は、リード先端から始まり、チューブ(ボーカル/クルークを含む)と上管、下管、ベルへと繋がります。

●チューブとリードの重要性

ここで、そのつながりが本来のものであるように、チューブとリードを手に入れる必要があります。

しかし、これらは楽器博物館等に保存されていませんから、自分で見つけることが必要。

今回、見つけたのは、ステンズビー T. Stanesby Sr モデル(→こちら)に対して見つけたリードです。 これは、テーパー度合いがやや緩いデンナー Denner 用のチューブ。

これが、決め手でしょうか。

 リードデータ:

  全長82.5mm スクレープ長24mm 突出し長67mm
  チューブ58mm(デンナー) 
  ケーン幅9.35mm ケーンH082(幅8.6mm)

ちなみに、短いボーカルとEH用チューブによる、2段構成のチューブでは、そのテーパー度合いが異なる不連続性の問題もあり、実際に使ってみると、ピッチの静特性が、大きく暴れます。

チューブのテーパー度合いの影響については、高域と低域での乖離が生ずること(→こちらも参照)。

今回、見つけたこのチューブは先端が楕円でなく、丸いもの。 このチューブあるいは丸型のチューブについて、さらに追い込んでみる価値が十分あります。


さて、リアルタイムにて楽器の復元つくりを行う連載、なんとか予定されている、楽器の展示会に間に合わせることができそうです・・・・


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

バロック・オーボエ:2種の材を用いて並行してつくります
バロック・オーボエ:いずれも美しい紫檀と黄楊のP. Paulhahnモデル
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バロック・オーボエ:T. Stanesby Srの替え管をつくってみました
オーボエ・チューブのテーパー度合いで高・低音域の相対間隔が変わります


※ この2種のポールハン P. Paulhahn バロック・オーボエを、来る2017年4月28日〜30日に甲府で開催される2017古楽フェスティバル<山梨>の展示会にて展示する予定です。ご興味ある方は、ご自由に手に取って試奏ください。


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