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zoom RSS バロック・オーボエ:種々のパラメータによるリードを試します

<<   作成日時 : 2017/05/21 23:37   >>

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画像楽器のつくり方 (238) 2017/5/21

バロック・オーボエには適切なリードが必要です。

バロック木管でも、トラベルソやリコーダではそもそもリードは不要で、オリジナル楽器の各部の計測データを基に復元できます。

ところが、リード楽器であるバロック・オーボエの場合、そのようにはいきません。

●オリジナル楽器が持つ本来のピッチ

博物館や個人コレクションに所蔵されるオリジナルのバロック・オーボエ対応の現存リードはめったにありません。

リードは、チューブにケーンを巻き付け削ったもの。 頻繁につくる必要がある消耗品だからでしょう。

●バロックの演奏ピッチA=415

現代における、「バロック演奏に用いられる通常のピッチであるA=415Hz」は、単に便宜上の決めごと。

オリジナル楽器とかそのコピー楽器を用い、オーセンティックな古楽演奏を復活させる活動が盛んとなりましたが、現存するオリジナル楽器ではピッチがバラバラ。 アンサンブルもできません。

現代の国際標準ピッチは、A=440Hz。 そこから半音低いA=415Hzにするとなにかと便利でしょう。 コピー(復元)楽器製作者も、それに合わせつくるようになって来ました。

●リード形状や寸法の想像

オリジナル楽器の復元つくりにおいて、オーボエでは、本体各部の寸法計測に加え、残存していないリード/チューブにつき、「多分、こうであったであろう」と想像する必要があります。

ここで可能なら、A=415Hzで演奏できるリード形状/寸法が得られると都合がよく、A=415Hzあたりを狙って種々トライすることとなります。

●リードつくりは試行錯誤の連続

自際には、以下の種々パラメータを変え、楽器として良く鳴り、自分の好みにあうよう試行錯誤となります。

(1)チューブ形状と寸法

チューブのテーパー度合いは重要で、オーボエ本体との連続するテーパーの開きにあったものでないと、高域と低域の開きに影響してピッチがバラバラとなります。(→こちらも参照)

チューブ底の径も、上管のもっとも細くてデリケートな部分と出会うところですから重要。

またチューブ先端は、ケーンを結わえ立体的となる丸型や、平たくなる楕円から選定することになります。

(2)ケーンの形状と寸法

リードのケーンはパラメータが多い。 プロファイル、幅、厚さはもちろん、いずれの個所をどのように削るかに至りさまざま。

●種々のパラメータによる試行

フォトは、完成した2本の、P. Paulhahn モデルのバロック・オーボエ(→こちら、と→こちら)で、それぞれ異なるリードを結わえています。

フォト左は、リードケース(つくり方は、→こちら)に収納した、8本のリード。

手前4本は、4種のチューブで、左から60mm楕円、60mm丸型、57mm楕円、57mm丸型。

今回、チューブ5種類とケーン3種類の組み合わせパラメータを変えて試行しました(T:チューブ/C:ケーン/TL全長/CW:幅/SL:スクレープ長)の順で、

(1)#128 58mm丸型デンナー/H082(8.6mm)/82.5mm/9.2mm/23.5mm
(2)#127 57mm楕円ポンセール/H082(8.6mm)/80.5mm/9.15mm/24mm
(3)#117 60mm楕円/KREEDO#12(8.6mm)/83.5mm/8.85mm/23mm
(4)#140 57mm楕円ポンセール/H082(8.6mm)/81mm/9.2mm/24.5mm
(5)#139 57mm楕円ポンセール/KREEDO#12(8.6mm)/82.5mm/8.8mm/25mm
(6)#138 57mm楕円ポンセール/H153(9mm)/80.5mm/8.95mm/23.5mm
(7)#136 57mm丸型ポンセール/H082(8.6mm)/81.5mm/8.9mm/22.5mm
(8)#135 58mm丸型デンナー/H082(8.6mm)/83.5mm/8.8mm/23mm
(9)#141 60mm楕円/KREEDO#12(8.6mm)/84.5mm/8.9mm/24.5mm
(10)#137 60mm丸型/KREEDO#12(8.6mm)/84.5mm/8.9mm/24.5mm

これら10本のうち、(1)#128リードを基準リードとして、2本の P.Paulhahn モデルの静特性を測定し、ともにフラットな特性が得られています(→こちら)。

(2)〜(10)のリードも鳴りますが、それぞれ少しずつ異なります。

これが、パラメータによる差異か、それとも個々のリードの削り具合か。 いずれにせよ自分に合った適切なリードのパラメータを探ることが重要ですから、ゆっくりと時間をかけて見つけてまいります・・


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