オーボエ・ダモーレ:適合リードを見つけた J.Eichentopf モデル(その3)
楽器のつくり方 (283)2019/10/29
アイヒィェントップ J.Eichentopf のオーボエ・ダモーレの復元つくりですが、形が出来上がりました。 手指の短い方にも楽に届く工夫をしています(→こちら)。
使用した材は、欧州黄楊の1級品。 英国滞在時に購入し持ち帰ったもので、自然乾燥は21年になります。 (材の購入については、→こちらも参照)
比重があり詰まった良材の欧州黄楊の入手ですが、今では困難になってきました。
●象牙マウント
ご欄のとおり、白っぽいきれいな黄色。 これにおしゃれっぽく(人工)象牙のマウントを施しました。
先におしゃれなポールハン P.Paulhahn モデルのバロック・オーボエ(→こちら)をつくりましたが、施した象牙マウントが音質に与える効果はあるみたい。
象牙マウントの働きは、トラベルソなど木管に共通。 木管を分割すると持ち運びに便利で替え管も実現できて便利です。 しかし、もともと1本だった木管の連続性を失うこととなりました。 象牙マウントは、ぶつけてしまいがちな角とか薄いソケット部保護するばかりか、音質上の欠点を補うこともあるでしょうか。
●適合リード
ボーカル、チューブ、ケーンからなるリードのパラメータには無数の組合せがあり、適切なものを見つける必要があります。
今回、試したリードを用いると、フォトに示すようA=415(in A)に対し全域で完全にフラット(乖離がない)な特性が得られました。
使用したボーカルは、最初の1本として復元したアイヒェントップ/サットラー Eichentopf/Sattler モデル(→こちら)をはじめ、ローピッチ・オーボエなどで試したものの中の1本。 このボーカルは短く管径(管底)が細い。 結果として全長が短い。
その後、内径を改造することにより特性が改善されました(→こちらや、→こちら)。
そこで特性の良いこの内径を持つアイヒェントップ J.Eichentopf モデル(1号機)をつくり(→こちら)、ここでは全長が長いボーカルも試みてきました(→こちら)。 静特性のピッチ測定では、いずれのリードも適合するものの、その良し悪しについては、評価する演奏者によるでしょう。
比較のため、これまでのパラメータを並べてみました: 全長/ボーカル長(内径)/チューブ/ケーン/リード幅/突出し長 【単位はmm】
(1)今回の2号機(黄楊製) 86.5/38.5(3.6Φ/4.4Φ)/28/26.6//10.2/71.5
(2)前回の1号機(紫檀製)第1 89.0/45.5/26/26.5/10.5/74.5
(3)前回の1号機(紫檀製)第2 99.5/55.5/28/25.5/10.1/79.0
(3)サットラー内径改造後 91.0/49.0(3.6Φ/5.1Φ)/28/28.0/10.9/72.5
(4)サットラー内径改造前 94.7/57.4/26/26.4/10.0
パラメータはいろいろ。 単にリードだけではなく、井戸(ウェル)に挿す量によっても異なるために、最適解を見つけるには時間が掛かります。
ダモーレは、オーボエと比較して管長が長い割には、上管の最も狭い場所の径は狭い。 このためか、今回のように、ボーカルの底径が狭いものが適合しやすいことを何回か経験しています。
一般に、YouTubeなど動画で演奏を見ると、ダモーレのリード全長は長いように見えます。
これを参考にテーパー度合をゆるめた長いものを試してきていましたが、長いリードの場合は、リード幅が狭いと想像します。
これに対し全長が短かくても幅広リードを用いることでピッチが合うでしょう。 いずれが良いかは奏者の好みもあり、コントロールしやすく求める音色がでるリード・パラメータにつき種々トライすることとなるでしょうか・・・
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