バロック・オーボエ:ボアつくりも旋盤加工によります
いまや入手困難で貴重材となっているバイオレット・ウッド(キング・ウッド)材(→こちら)を用いオーボエをつくる連載を進めましょう。
復元しているのは、ブラッセルのロッテンブルク Jean-Hyacinthe (Joannes Hyacynthus) Rottenburgh 作のバロック・オーボエ(→こちらや、→こちら)。 刻印は、イニシャルについて普通になされていたようにJをIに変え、 I. H. Rottenburgh いわゆるIHR。
●木工旋盤
フォトは、英国Record社の木工旋盤DML-24X。英国より持ち帰ったAC240V仕様。これを日本のAC100Vで使用するため、持って行った日欧の電圧変換トランス100V→240Vを改造。 入出力を入れ替え、英日240V→100Vに電圧変換しています。
住宅街にある自宅での作業は、騒音問題等もあり。 そこでレンタル工房に旋盤を持ち込ませてもらうと作業性/安全性も向上。
●階段状の穴あけ(穴掘り)
フォトは、ベル材の加工の様子。 ベルの加工手順は、①天側からのソケットつくりとボアあけ ②地側からのビット(→こちらや、→こちら)を用いて階段状のボアあけ(→こちらも参照)③地側からの内径ぐり(→こちらも参照)④地側の象牙マウントつくりと取りつけ ⑤外径削り(地側) ⑥天側の象牙マウントつくりと取りつけ ⑦外径削り(天側)。 フォトの作業は②の途中。
●4ツ爪チャックで作業効率アップ
フォトは、あらたに導入したチャックでベル材を結わえています。
それまで使用していたのは、いわゆる木工旋盤加工で標準なチャック。 結わえ寸法は固定で、圧縮 compression モードでは、中央部で1インチ (25.4mm) と外側で2インチ(50.8mm)の固定寸法。 木工旋盤を用いた皿や花瓶の加工では、固定寸法でもOK。
しかし木管楽器の各部の加工のためには、さまざまな径の丸材(あるいは角材)を扱うため、わざわざ固定寸法のチャック結わえ部を加工すると材の有効化も図りずらい。 ベル材にチャック結わえ部をつくり取り付けた例は、→こちら。
4ツ爪チャックは、ある範囲の大きさの径の材を自在に結わえられます。 通常木管で加工する10mm~70mm径を結わえるため3種の爪を購入。 チャックの爪を取り換えることで対応でき、種々の径の丸材をそのまま結わえられますから作業効率が大幅に向上。
さて、IHRのオーボエ各部をチャックに結わえて加工してまいりましょう・・
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