バロック・オーボエ:外径削りに便利なテンプレートを作ってみました

DSC_0458黄楊製テンプレート (2)-LAPTOP-4BTLI2RB.JPG楽器のつくり方 (320) 2020/12/20

複数モデルのバロック・オーボエにつき5本同時並行して復元する連載を続けましょう。 前回、外径(外形)の荒削りまで進みました(→こちら)。

5本の内訳ですが:
 ①ポールハン P.Paulhahn モデル(カステロ製)
 ②ポールハン P.Paulhahn モデル(カステロ製で象牙マウント付き)
 ③ポールハン P.Paulhahn モデル(紫檀製で象牙マウント付き)
 ④ポールハン P.Paulhahn モデル(紫檀製で象牙マウント付き)
 ⑤デンナー J.Denner モデル (カステロ製)

●外径削りの要点

オリジナル楽器の復元では、外径をオリジナル寸法通りに削ります。 ここで、寸法は使用材の種類に依存せず、象牙マウントの有無も関係しません。 5本あってもモデルは2種ですから、外径寸法データは2種のみ。

バロック木管の外径削りの要点は、細かな装飾削りにあります。 オーボエの上管の頭部には、逆さオニオンの膨らみの両端には幾重にも重なるビージングがされ、また下管やベルにも同様のビージングにより飾られています(→こちらも参照)。

●寸法計測と同時進行の外径削り

計測図面から寸法データを読み取り、物差しやノギスを用いて加工個所に印を入れ、またノギスで削り具合を測りながら加工を進めます。 ここで加工物に印を入れても削ったら印がなくなります。 曲線削りでは曲線から受けるイメージを確かめながら慎重に進めますから根気が必要です。

ここで図面から読み取り印を入れ、また図面から読み取った曲線イメージを頭に描く作業を助けるものがあれば良いと気づきます。

●テンプレート

今回、加工物に直接にあてがい正しい位置に印を入れ、また曲線イメージが直感的に分かる「テンプレート」を黄楊材で作ってみました。

十分乾燥させた黄楊材は狂いがなく、昔から「物差し」の材として使われてきました。 今回作ったテンプレートは、欧州黄楊の半丸太からベル材を確保した(→こちら)あとに残った薄い板を用いました。

フォトは、荒削りのあと仕上げ削りの場面。 上管用テンプレートを当てがい、逆さオニオンの膨らみ個所に印を入れて削ったあと、曲線イメージがあっているか確かめている様子。

テンプレート自体に径の寸法も記入しており、図面から位置や径のデータをノギスで測り移す作業が大幅に楽になりました。


テンプレートは、復元するモデルの上管や下管など各部ごとにつくり、何度も使えますから効率化にも大きく貢献しています。 繰り返して用い5本のオーボエについて外径削りを終えてまいりましょう・・・


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